寒い冬が終わり、ポカポカと暖かい春が近づいてくると、だんだん過ごしやすくなってきます。
しかし、その中で気になるのが花粉症。
花粉症の原因となる花粉の種類は、スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネ等などさまざまで、みんながみんなが同じ花粉に反応するわけではありません。
しかし、その中でも多くの方が苦手とするのがスギ花粉です。
年々、増加傾向にある花粉症ですが、どうして花粉症の原因となる杉を伐採しないのでしょうか?
昔は、ここまで花粉症の人はいなかったと聞きますが、それって本当なのでしょうか?
花粉症患者多いのに杉を切らない理由って何?
花粉症患者にとって、大敵なスギ花粉。
もちろん、スギを伐採することによりかなり症状は軽くなるはずです。
それが分かっているのに、どうして杉を伐採しないのか気になった方はいませんか?
これには、戦後以降の日本に遡り、現在の社会問題とされているいくつかの理由があるのです。
杉の多さ
戦後以降、日本では杉を含め、林業を生業とする人が多く、たくさんの杉が植林されました。
林業で杉の植林が多いのは、杉が木々の中でも成長が早く、20~30年程で成長して伐採する事が出来るからです。
花粉症対策として杉を伐採しても、日本には杉がかなり多く間に合わないというのが現状です。
人手不足
人口の減少が続く日本で、近年林業を生業とする人が急激に減ってしまい、伐採する人も減ってしまいました。
更に、日本の杉よりも安価な中国など海外の杉を輸入する会社も増え、より日本の杉が売れなくなってしまったのも理由にあります。
所有権の問題
国の所有物である国有林であれば、国が手を加える事ができます。
しかし日本にはたくさんの私有林が存在し、個人で山を所有している人もたくさんいます。
私有林の場合、手を加える事ができません。
財政の問題
杉の伐採には、切る人、運ぶ人、売る人などたくさんの人件費がかかります。
国の予算として足りてないのが現状です。
環境問題
地球温暖化により、たくさんの二酸化炭素が排出されています。
それを酸素に変えるためには植物は必要不可欠な存在です。
更に、土砂崩れなどの災害も森林がある事によって防いでくれるために、災害防止につながります。
このように、環境問題から、コストの問題、権利の問題など、いろんな理由により安易に杉を切る事が出来ないのが現状なのです。
花粉症は昔は無かったの?なぜ最近は多くなったの?
現代社会で、日本の国民病とも言われている花粉症。
今では、4人に1人が花粉症とも言われています。
しかし、この花粉症は実は江戸時代まで遡ると、ほとんどいませんでした。
なぜ、近年こんなにまで増えてしまったのか。
それは、第二次世界大戦後の日本が関係しています。
第二次世界大戦後、日本国土のほとんどが焼け野原となりました。
木々が無いことにより、少しの雨でも大洪水になる事が続き、成長が早いスギやヒノキが大量に植えられました。
簡単に言えば、江戸時代までも、少しはあったであろう杉が、日本の国土のほとんどを占めるほど爆発的に増えた為、花粉症の人が増えたわけです。
少しの量なら発症しなかった人達も、あまりの多さの花粉により、発症してしまう人が増えました。
花粉症の特徴的な症状である、くしゃみ、鼻水、涙目ですが、人間には抵抗力があるため、花粉のような異物に対して、体入ってこないように抵抗するため、そのような症状で侵入を防いでいるわけです。
まとめ
だんだん暖かく、春が近づいてくると、嬉しいよう、反面憂鬱になる方もいるかもしれません。
最近のマスクや薬は、昔より花粉からしっかり守ってくれたり、眠くないような物も出ているので、自分に合うもの見つけていきましょう。